タイタニック(ジェームズ・キャメロン、1997)

2023/02/23タイタニックの3Dリマスターを劇場で鑑賞

面白かったところ

・全編がほとんど回想シーンであるということ

回想であるというところがこの物語に入り込みやすくなってる仕掛けになっていると思った。中学生の頃には早く本編が始まれと思って早送りをしていた。いきなりポーカーのシーンから入るよりも、碧洋のハート、裸体の肖像画など伏線をちらつかせることによって見る側に想像を促し、時代背景の説明にもなっているように思う。また途中で現代の時間軸に戻ることで緩急が生まれ、鑑賞側が思っていることを潜水チームがツッコミを入れてくれることで鑑賞側と作品の中で繋がりが生まれていると思う。

また、この回想ではジャックの生死は明言されない。101歳だから老衰で死んでいても不自然ではない。これも沈没していくクライマックスを際立たせている要因の一つだと思う。

・古くささを感じないストーリー

自由に生きてみたい、世の中の何にも縛られたくない等ローズの感じる悩みは今の現代人にも共通する悩みでもあると思う。それに対して、ジャックのスタンスは今を楽しもうである。これも現代でも誰もが憧れる。25年時が経っても、人間の悩み、心情の根本はあまり変わらないかもしれない。(作中の1912年で考えるなら100年以上も経っているが、それでも普遍なのかもしれない。)これが2023年でも多くの若者に対しても受け入れられ、老若男女で劇場を満員で埋め尽くす要因の一つであると私は思った。

・細かいところまで作り込まれている

タイタニックは中高生ぐらいの頃にDVDで見て以来の二度目の鑑賞であり大まかなあらすじは覚えていたが、それでも3時間退屈する時間なく楽しめた。見るたびに新しい発見があるぐらい、細部まで作りこまれている作品だと思った。昔見たときには最初の潜水シーンがかったるいという印象だったが、今回鑑賞した時は重要な要素だと思い直したし、服、音楽など雰囲気もよくできていると思った。ローズと一緒にスケッチブックを眺めながら、この人の手に恋をしたんだというジャックのシーンが私は印象に残っている。画家としてのジャックの一面を表しているとあの短い時間で掘り下げていると思ったからだ。また、ローズのフィアンセがピカソをわけのわからん画家と貶しておきながら、作家が死んだ後に価値が出ると終盤でジャックに対して悪口を言うところも皮肉が効いてるように感じて面白かった。細かい点をあげるともっと沢山あるが、とにかく新しい発見がある、もう一度見ても楽しめると思う。3時間と思うと腰が重いがまた鑑賞したい

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