1. ノルウェイの森(村上春樹、1987)

要約

主人公の友人の自殺をきっかけに変化する自分の心情と人間関係、生と死、愛について考えるさせられる物語。

面白かった所

ラブストーリーであるような、一方でそうではないような、読んでいて不思議な感覚を覚えた。

読み進めていくうちにキヅキの自殺の理由が語られるのか、その裏に何か事件性があったりするのかと考えたが最後まで明確な理由は語られない。というよりワタナベの周囲の人間の誰しも自殺の明確な理由は語られないし、突然自殺したことを知らされる。だが実際の現実はそういうものなのかもしれないし、そのことによって物語がリアリティが出るし、考える余地が出るのかもしれない。ここは面白いポイントだと思った。

また周囲のキャラクターが個性があって面白い。女性の心情をリアルに描かれていたと思うし、ワタナベの先輩であり友人の永沢が良いキャラだったと思う。「自分に同情するな、自分に同情するのは下劣な人間のやることだ」と別れ際に言う永沢の場面は印象的だったし、人間性が表れている良い場面だと思った。またその言葉を主人公が思い出して立ち直るところも話の展開としてベタなのかもしれないが私は良いと思った。永沢とワタナベが初めて出会うシーンも良かった。私は永沢というキャラクターが好きだったみたいだ。理由はよく分からないがたぶん1番人間くさいと思ったからだと思う。

また、レイコさんをはじめ、ワタナベが一夜だけ寝る女性など女性の心情の描写が上手いと思った。どうすれば異性の気持ちをここまで細かに文字に起こすことができるのだろう。

初めて村上春樹の作品を読んだが非常に、純粋に面白いと思ってしまった。他の作品も読みたい。この作品も少し時間をおいてまた読みたい。

とりあえずこの後グレート・ギャツビーを買いに行こうと思う

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